


戦火に追われ、物乞いをしてすごした少年時代、彼は人々に蔑まれることになんの疑問も抱かなかった。生まれたときからそうであったし、まわりもそういう人間ばかりだったからだ。
しかし商船の漕手としてオスマン帝国首都イスタンブールを始めて訪れた時、彼の人生は一変する。金角湾に面する丘の上に建つトプカピ宮殿は彼の目に何よりも美しく映った。
世界の半分を占めるオスマン帝国。その頂点に君臨するスルタン(皇帝)の居城。
「ああ……なぜ……」なぜこんなにも違うのだろう、あの壮麗な宮殿に住まうスルタンと、商船の漕手にすぎないこの自分は……。
以来バルバロスの脳裏から燦然と輝くトプカピ宮殿の姿が消えることは無かった。
そしてある日、バルバロスは乗り込んでいた商船から脱走したのである。光り輝くあの宮殿を追い求めるために。
盗賊団レオーネ・ドーロに身を投じたバルバロスは瞬く間に頭角を現していく。彼が第15代団長にまで上り詰めるまでにそう長くはかからなかった。
そして運命の日。バルバロスは明国のとある軍人の邸宅へと盗みに入った。そこで彼は古びた剣を発見する。
その古びた剣こそ、霊剣ソウルキャリバーであったのだ。絶対の力、ソウルキャリバーの力を手にしたバルバロスは心に深く刻まれたあの壮麗な光景、トプカピ宮殿を目指す。ついに、彼の夢が実現するときがきたのだ。
ソウルキャリバーの力を使い、バルバロスは瞬く間にトプカピ宮殿を攻略、オスマン帝国の帝位を簒奪(さんだつ)する、そしてその余勢を駆り、世界の残り半分、神聖ローマ帝国攻略へと乗り出していったのである。
モハーチの戦でハンガリー王国を滅ぼし、同年、サファヴィー朝ペルシャを征服。そしてついに、ソウルキャリバーの力で巨大化したバルバロスとその軍勢は神聖ローマ帝国のウィーンを包囲した。